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さくら桜sakura

千里香は、白い八重咲きの桜らしい。

千里香(senriko)は、もちろんHNなのだが、
本名自体ヘンテコなので、登録するときは、
これではなく、自己陶酔系の
麗しい語感の名前にしたかった。

ところが、自分に酔い痴れたい人は、
私以外にもヨノナカにたくさんいるようで、
その名前は、ハイフンや英数字をからませたものを含め
大量にエントリーされていた。
それならば、と、第2候補、第3候補を入力してみたものの、
同じ結果に。
あぁぁ~、どうしよ・・・。
そもそも「5分でできる」の謳い文句にそそのかされて
「ブログをはじめよう!」と思い立ったのが、
そうとう深夜だったので、頭は全然働かない。
いくら時間をかけても思いつかないし、面倒になってきて
せっかくの決心も鈍りかけた。

で、ふと思い出した言葉を
えぇぇ~い!とイキオイだけで入力してみたら幸いに誰もいなかった。
よし、これにしよ!というか、これになってしまった。

千里香(senriko)に決めたのは、本名にちなむ言葉だったからだ。

小学校に入学したてのころ、こんな宿題がなかっただろうか?
「自分の名前の由来を、お父さんお母さんに聞いてきましょう」

自分はいかに愛されて生まれ育ってきたかを
名前から自覚させる教育なのだろうが、過酷な宿題だった。
私には、聞くべき「お父さん」も「お母さん」もいない。
私の名前は父が付けたらしく、
父と私をつなぐものはそれしかなかったが、
祖父は私のそれを嫌っていて、
自分で勝手に付けた名前で私を呼んでいた。
だから祖父には聞けない。
そこで「私の名前、どういう意味?」と
恐る恐る夕食の支度をしている祖母に聞いた。
祖母は背を向けたまま「知らね」とだけ小さく言った。

(・・・はい。自分で考えなくちゃ)
6歳で「聞いてはいけない質問」があることを悟ってしまった。
どんな答えを先生に告げたかは覚えていないが
「私、なんて嘘つきなんだろう」という罪悪感だけは残った。

9歳のときに祖父が、20歳のときに祖母も逝った。
みんな秋だった。

祖母の遺品を整理していたら、黄ばんだ細い帯状の紙が出てきた。
そこには、活字で、こう書かれていた。
「5ジ20フン、センリコ、ウマル」
日付が書いてあって、それは私の誕生日。
私が生まれたことを知らせるための電報だったらしい。
祖母はなんでも取っておく人だったが、こんなものまで・・・
と思って、ふと気づいた。

あ。私、生まれる前から名前がついてたんだ

ぽたぽたと涙がこぼれた。

3年前、父に逢った。
父にはそれを含めて2度しか逢っていない。
一度目は、おたがいにギクシャクして、ほとんど会話にならなかった。
二度目に訊ねてみた。
「私の名前、どういう意味?」
すると父は
「中国の故事に出てくる『千里先から香る花』からとったんだ」
と言った。
そして、それから間もなく逝った。
やはり秋に。

しばらくして「千里先から香る花」を調べてみたが、
私の名前とは全く所縁がないことが分かった。
父自身、由来は忘れたのかどうか。

senrikoブログをはじめて4ヵ月。
ついこの前、Googleで「senriko」を検索してみた。
千里香(senriko)という名の桜があり、中国茶もあるのを知った。

お茶は、いつか飲んでみたい。
ねがわくは花(senriko)のもとにて・・・。
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自分に酔い痴れてます~。
by senriko | 2005-04-18 18:09
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