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大阪のおばちゃん2

遠慮がちなおばちゃん(まだ五分咲き)
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3本巻き入ってまっせ、おばちゃん
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たむろするおばちゃん
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# by senriko | 2005-06-13 17:18

大阪のおばちゃん

家を買ったのは、ちょうどクリスマスシーズン。
アルミの白いフェンスが寒々しくて
それにからませるために、つる薔薇の苗を植えた。
冬だから、ホームセンターに並んだ苗には、
もちろん花は咲いていなかったけれど、
品種等の説明の厚紙が根元に細い針金で巻きつけてあり
そこにプリントされた写真は私好みで、はかなげで美しく
「四季咲き」「強健」「芳香強」と書かれていた。
これならガーデニング初心者の私にも育てられるかも。
選んだのは、その優しい淡淡とした薄いピンクの薔薇
・・・の筈だった。

ところが、翌年咲いた花を見て仰天!!
なぜっ!なぜこんなにもショッキングピ~ンク~ッ?????
派手派手しい、毒毒しい、蛍光色?と思うまでのピンク。

まるで君は関西人~♪(※)という
嘉門達夫の替え歌が脳裏でこだました。
(元歌?「クリスマス・イブ」by 山下達郎)
大阪のこてこてのおばちゃんだよ、これは。

ええ~!だって、あの写真の柔らかな色は?
・・・もしかして露天下で日に焼けて色褪せてたのかッ?

右の写真は五分咲きで、それほど分からないのだが、
(思えばプリントされた写真もそれくらいの開き加減だった)
やたらと花びらの数が多い品種のようで、
なんと表現すればいいのだろう、
一輪の花の中に3つくらい“巻き”が入ってる。

暖かい日が数日続くと
「いやや、もう~パーマ当てすぎよってェ」
「あら?おたくも?」「あんたも?」「あッはッは~~!!」
と、おばちゃん同士、井戸端会議のように
にぎやかに次々開花する。
開ききると、自らの重みに耐えかね、ぐったりうなだれ
最後は花びらの周囲が赤黒く焦げたように縮れ、
「もうあかん」とばかり、べらべらと崩れ散る。
この時期、毎朝、花がらを摘み、
散らかった花びらを掃くのが日課となる。

植えて半年して気づいたのだが
“四季咲き”というのも真っ赤なウソで
梅雨入り前のこの時期、ほんの2週間しか咲かない。
それ以外のシーズンは、とげとげしくわさわさ繁る。
この辺も大阪のおばちゃんの気まぐれ加減を連想さす。

別の苗を植えようとしたが、びっちりと根が深く掘り返せない。
枯れるのを待とうと肥料も禄にあげてないのに、
どこから養分を吸収するのか、年々株は肥大し、枝は広がり、
毎年うざい程の花を咲かす。
“強健”・・・こっちは真実だった。
“芳香強”・・・これも確かに。なんか古臭い香水の匂い。
この辺もしたたかな大阪のおばちゃんを連想さす。

(※)
まるで君は関西人~♪とびきりの関西人~♪
さいでんな~♪ほ~でんな~♪


こんなやっかいな薔薇、面倒みきれん、と思いつつ早10余年。
今朝も散った花びらを掃いていたら、
犬を連れた人が「おはようございます」と声をかけてくれた。
その人は笑顔で
「毎朝、お宅の前を通るのが楽しくて仕方ないの」と言う。

「いつもお散歩でここを通るんですけどね。
向こうの角を曲がると、すぐにこの鮮やかなピンクが
目に飛び込んできてね、なんだか、それだけで
ぱあっと明るい気分になるんです。
今年もキレイにたくさん咲きましたね。
この季節はホント楽しみ・・・」
と言うと犬に引っ張られて去っていった。

・・・あら。大阪のおばちゃん。
あんたのこと好きって言う人がいてくれはったよ。

そう言われてみたら、夜遅く疲れて帰って来た日
車のライトに照らされたあんたは蛍光ピンクみたいに光って見えた。
陽気に「おかえりィ」ゆうてくれはるみたいで、なんやホッとしてたわ。
こんなにつれなくしてるのに
元気でたくましゅう毎年咲いてくれてんなぁ。
おおきに。
知らんうちに、あんたにずっと励ましてもろとたんかもしれへんなぁ。
・・・と関西弁もどきで語りかける。

何ゆうてんのん、長いつきあいやし。
・・・と答えた(よに見えた)大阪のおばちゃんだった。
# by senriko | 2005-06-11 03:01

シャンプーとコンディショナーの比率

洗面所でコンタクトをはずしていると、
入浴中の夫が「お~い、シャンプーないよ~!」と呼ぶ。
「はい、はい」と洗面台の下にストックしてある、
ポンプタイプのを取り出し、渡す。
ちょっとしてから、夫は
「おい!これリンスッ!シャンプーじゃないぞ」と怒る。
あ、ごめんね~、だってよく目が見えなかったんだもん。
それにリンスじゃなくてコンディショナー
・・・と言ったら、さらに怒りを買うことになるから
今度はちゃんと確かめて、はい、と渡す。
髪を濡らしてしまって目に染みるのか、夫は不機嫌そうに受け取る。

コンタクトの洗浄が済んで、歯磨きしていると
夫は「おい!なんでこう何本もリンスばっかあるんだ?」と叫ぶ。
だからリンスじゃなくてコンディショナー!
・・・と言いたいが、口の中が泡だらけ。

夫は「・・・3本。3本もあるぞ!!」とわめく。
だからぁ!それは私のせいなのッ?!!
・・・と言いたいが、口の中は泡だらけ。

息子はシャンプーオンリー派。
というかボディシャンプーで髪まで洗う。
娘と私は朝シャン派で、洗面台ではポンプタイプは場所をとるので
最近は小さいボトルを使ってる。
(しかもサンプルとか出張先のホテルのアメニティ)
たまにお風呂でポンプタイプを使うときも、もったいないから
シャンプーの消耗ペースに追いつくように、
香りや効果が違ってもA社シャンプーと
残り少ないB社コンディショナーの
組み合わせで使ってる。
買うときも、なるべく同じ商品の詰め替え用、と心がけているけれど
シャンプー&コンディショナー&トリートメント3点セットの
新製品のほうが安かったりすると、試してみたくなるのが消費者の心理。
(しかし、このせいで、さらに消費バランスが崩れるハメに)

さて。結論。
我が家の構成員で、新品&おソロ好きなのは、どなた?
2度洗いだけどコンディショナーあっさりめなのは、どなた?

・・・と言いたい言葉を泡と一緒に、ぶくぶくびっ、と吐き出す。
# by senriko | 2005-06-09 19:49

苦味の美味

このところ、夏のような日差しの日もあれば、
寒々と雨が降る日もある。

クール宅急便が届いた。
おかあさんからだ。

中身は、近所の山で採れた山菜。
数日前、おかあさんから予告の電話があった。

 春の山菜もそろそろ終わりの時季だが、
 ひと雨あった後に採れるわらびは柔らかくて旨い。
 明日は晴れるようだから、山へ行こうと思う。
 こごみやたらのめも採れるかも。
 たくさん採れたら、千里に送るよ。
 それと他には何が食べたい?

ジップロックに入ったそれらと保冷剤が
サンドイッチ状に重ねられ、
何重にも新聞紙でくるんで箱に入ってある。
おかあさんの思いも一緒に。

わらびは穂先を処理して灰でゆでてアクを抜いてある。
鉄鍋でゆでると色鮮やかに仕上がるのだという。
こごみもゆでてあり、和えごろものゴマだれが添えてある。
ふきのとうはきざんで甘辛く味噌で炒めてある。
たらのめも袴をキレイにはずしてあって、あとはころもをつけて揚げるだけ。
どれも、そのまま、もしくは、さっと火を通すだけで
食べられるようになっている。
それと地元の和菓子屋の私が好きなおまんじゅう。

おかあさん、と呼んでいるが、このひとは伯母。
私が9歳のころ。
祖父亡き後、祖母と一緒に伯父家族のところに身を寄せた。
ついこの前まで「おじちゃん」「おばちゃん」と呼んでいたひとを
「おとうさん」「おかあさん」とは呼べなかった。
(呼べるようになったのは、二十歳を過ぎてからだ)
伯母は亡き母の友人だった。
母を介して伯父と伯母は出逢った。

伯父にしてみれば、妻との縁を与えてくれた可愛い自慢の妹は
あろうことか、おかしな男に騙され孕まされ捨てられ死に至った
と怒りをすべて父に向かわせるほかなく、その反動で
残された私を全身全霊かけて、清く正しく美しく育て上げる
と誓ったらしい(後々、かなりのプレッシャーとなる)。
躾には異様に厳しく、一方で情にもろく、感情の起伏の激しい・・・
いや、感情豊かな人物だった。
(と言っておこう。育ててもらった恩がある)
私は向田邦子の作品が好きなのだが、
彼女のエッセイに登場する父親像と私の「おとうさん」は
時代背景が異なるにもかかわらず、重なる部分がありすぎて、
読むたび、ぷぷぷ、と笑ってしまうのだ。

伯母は、そんな伯父の弱さを補い支えあっていくにふさわしい相手だと
亡母が見込んで紹介したらしい。
(そんな亡母の「人を見る目」を、自分の男選びに
応用できなかったのが不思議。恋は魔物。)
伯母は、自分の子と同様に育てることを常に心がけてきたようだ。
社交家で、よく飲み、よく笑い、段取りがうまく、しかも毒舌家。
たくさん叱られたが、このひとを恨む気持ちになったことはない。

ドウセイドウメイと同姓同名の「兄」は実際は従兄弟で
学年は違うものの、半年ほどしか年は離れていないから
兄のことは「おにいちゃん」と当たり前に呼び、仲良く
時には派手な喧嘩をして育った。



わらびはおひたしに。硬い部分はお味噌汁に。
こごみは、ゴマで和えて片口の器にこんもりとよそう。
ふきのとうの味噌は、今日はそのまま食卓に。明日は田楽にしよう。
たらのめは、時間がないので、これもまた明日、天ぷらに。

「おばあちゃんが送ってくれた山菜だよ」と
子ども達を呼ぶ。
食卓を整え「いただきます」。
早速、わらびを口にする。
あれ?ちょっと茹ですぎてるな~、おかあさんとしたことが。
いつものシャキシャキ感がない。
こっちのこごみもだ。軟らかすぎる。

・・・ああ、そうか。
今、実家では、この歯ざわりがスタンダードなのだ。
おとうさんもおかあさんも、年をとったのだ。
と思ったら、やけにホロ苦く感じた山菜の夕餉だった。
# by senriko | 2005-05-26 19:31

個人情報保護

ドウセイドウメイ(以下、ドと呼ぶ)から
「若干の仕様変更」の依頼を受けたあの話は、
契約金額の範囲内での小さな変更で済むかと思っていたら、
打ち合わせをしていくうちに、なんと大幅な変更になった。
もちろん、これはこれで大口のお仕事に結びつく
ありがたいお話だったのだが、
ありがたくないのは「納期は予定通り」と
キッパリ言い切られてしまったこと。
無理だ!ワニの腹筋!(←コレ分かる人~?)
・・・とは言えない。
ただでさえ、きついノルマに拍車がかかる。

しかも、そのせいでドと
連日顔を合わせることになった。

ある日も、朝もはよからA社(ドの会社)に向かい、
地道な作業を続けていたらお昼になった。
担当者さんが「千里さん、昼飯行きますか?」と声をかけてくれた。
ドを含む数人と近所の定食屋へ。

力なくちゅるちゅるとワカメうどんをすすってると
担当者さんが「ところでブログって何だ?」と
その場にいる面子に話し掛ける。
なんでも小学生のお嬢さんが長時間パソコンに向かっているので
ゲームでもやっているのかと覗いたら、
「見ないで!!」と激しく拒絶されたのだとか。
それがどうも『ブログ』らしいが、さっぱり分からん、
「電車男とかってのも話題になってたし一体なんなんだ?」と。

ドが「みんなやってますよ」と口を開く。
ひととおり説明するが、担当者さんはイマイチつかめない様子。
ド以外はオヤジばかりで分かってる人もなく、ドは
「千里さんはブログに興味ないん(ですか?)」と言いかけるが、すぐに
「あ、でも、お忙しそうですしね」と自己完結する。

ん?私、何も言ってないよ。
あ、うどんすすった形で見上げたから?
茶グマが浮かぶ充血した目の年増の視線は
睨んでるように見えたりしたのかしら?

・・・ドウセイドウメイさん。
私もブログ知ってるよ。
てゆうか持ってるよ。
しかもオマエをネタにしちゃってるよ。
げげツ・・・。

ドは続ける。
ブログっていうのは、とにかく自分が好きなこと書いて、
それを読んで共感してくれた人が感想書いてくれるんですよ。
俺、○○(聞いたことないアーティスト)と
××(珍しい動物)が好きなんで、それのこととか
そのときそのときに思ったこととか、行ったとことか、
読んだ本とか見た映画のこととか書いて・・・
などと言ってるうちに1時近くになり、話は中断した。

午後いっぱいA社で作業し、夕方、会社に戻った。
コーヒーを飲みながら、パソコンを立ち上げた。
ふと思いついて、Googleの検索窓に
ドが好きだと言った○○と××、
ついでにドの携帯メールのアカウント
(送ったことはないが、必要上、知っている)
を入力。クリック。

・・・あらッッ???!!!
ドウセイドウメイのブログにカンタンにヒットしちゃったよ!!!
いいのッッ???!!!

ああぁ~~~!!
この写真、ちょっとしか写ってないけど
どう見てもド本人だぁ~!
そうそう。先週、この映画観たって言ってたし~。
出身もここだって言ってたし~。

・・・そうなのか。
妙な時期にこの街に赴任したのは
別れた彼女と距離を置きたくて、自ら転勤願いを出したからなのね。
担当者さんと最初はコミュニケーションがとれずに
思い悩んでいたのね~。
ふむふむ。

こ~ゆ~のを読むと、個人情報っていうのは
何も名前や住所や電話番号のことじゃないって気がする。
# by senriko | 2005-05-22 14:41